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◆底ぬけ◆

新潟はおいしいお米の産地です。酒造用の米は酒米(さかまい)または酒造好適米と言われます。新潟の酒米の代表的なものは「五百万石(ごひゃくまんごく)」と言われる品種で、新潟の農家の人と契約栽培をしています。「五百万石」の心白(お米の中の白色不透明な部位)は、タンパク質の含有量が少なく、磨いても砕けることがないよう粘度が高く、醪(もろみ)によく溶けるという性質があります。

日本酒にとってタンパク質は雑味の原因にもなるので、タンパク質が少ない性質を持つところも重要な要素です。これが底ぬけの味を淡麗でまろやかなものにしています。

 

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【米】

 

五百万石(ごひゃくまんごく)

新潟県で育成された品種で、1944年に「交系290号」と系統名がつけられましたが、栽培は戦争で一時中断となります。その後新潟県の奨励品種となり品種登録され(1957年)、交配から20年近くを経て普及しました。その後は北陸を中心に普及し、2001年に山田錦に抜かれるまでは、長く作付面積1位の座を守っていました。 長い歴史のなかで鍛えられ、品種特性が安定し、酒造特性の優位性が認められた五百万石は全国に拡大して行き、全国の蔵元から圧倒的な支持率を得ているのです。千粒重25.8g。早生、耐冷性、耐倒伏性といった点に弱いものの、大粒で心白発現率は高くなっています。麹が作りやすく、酒質はきれいで淡麗なものとなる一・麹、二・酛、三・造りと言われるように要の麹造りには絶対必要不可欠なお米です。

【水】

水質は軟水です。淡麗辛口の土台になる要素です。

越後長岡西山連山の伏流水を、敷地内の地下20メートルから汲み上げて使用しています。口に含むとほのかに甘さを感じられる軟水の性質です。

軟水は硬水と比べミネラル分が少なく発酵が弱くなる傾向があり、さらに越後の冬は寒く低温が続くため発酵が緩やかになりどうしても時間が掛かってしまいます。

 

水には硬水と軟水の区別があり、硬水は硬度が高く、カルシウムとマグネシウムが多いものを言います。軟水はその逆です。硬度の成分は、醸造過程で酵母の栄養源になります。栄養源の少ない水は、酵母での醗酵がおだやかでキメ細かいタイプのお酒になります。
新潟のお酒が淡麗辛口といわれるわけはこの水おかげです。

 

名水鑑定人、佐々木健教授(広島電機大)は次のように分類しています。

 

硬度(アメリカ硬度(ppm))

5以下    超軟水      自然水ではまれで雨水など

■5~50    軟水       名水が多い

■50~150   中硬度水     酒造用水が多い

■150~300    通常硬水              市販ミネラル水など

■300以上          硬水                   外国の水に多い。日本人には飲用不適

 

河忠酒造仕込水 17

※新潟県の醸造用水の平均値は40位です。

※参考 エビアン・ヴィッテル 300

 

底ぬけに使用している水の源は、越後・長岡の西山連峰です。そこに降り積もった雪が地面にしみこみ、伏流水となって酒造りに使用されます。冬は西山連峰を雪で深くつつみます。低い温度で仕込まれる寒さが底ぬけを作る上において不可欠で、この雪により空気をきれいにし、麹菌や酵母菌などの微生物を使う酒造りに、大切な一因です。一日のうちでも温度が一定していて、繊細でキメの細かい底ぬけが仕上がります。

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【酒造り(モットー 淡麗を極める)】

米どころ新潟で酒造りを続ける意義を考え、全量新潟県産米使用に拘っております。杜氏の伝統的な「越後流」の酒造技術と蔵の仕込み水との相性が良く醸した酒は淡麗辛口造りを基本としていながらふくらみがあり、きれいな旨みの感じられる、大変個性的な「淡麗旨辛」の味わいとなります。長期低温発酵に耐えうる麹造り(酵素力が少しずつ長く続く)こそが杜氏の越後流酒造りの神髄で腕の見せ所なのです。

  

麹を上手くコントロールし、低温で緩やかに発酵をすすめる事(長期低温発酵)でよりタンク内では次の様な現状が起こっております。

「香り成分のエステル類は、醪中発酵工程で酵母によって生成されます。酵母によるアミノ酸の生成は、糖からアミノ酸生合経路に沿って行われますが、窒素源(アンモニア)が不十分な場合には酵母の活動が不活発になり、アミノ酸になりえず、高級アルコールが生成されるのです。酵母は栄養も十分に与えられずに、低温という悪条件で酵母が油汗をかきながら生きているのです。その油汗が代謝産物エステル類なのです。」

要するに酵母に餌を与えず極限状態に追い込む事で良いお酒になるのです。

 

今後とも新潟の米、新潟の水、新潟の人で醸すオール新潟に拘り、淡麗をより探求し、

極めて行くことに邁進してまいります。

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