東京 / 築地 業務用 酒類卸
03-3541-1641
◆越乃滴◆
新潟はおいしいお米の産地です。酒造用の米は酒米(さかまい)または酒造好適米と言われます。
この越乃滴は新潟の農家と契約栽培をした希少米「高嶺錦(たかねにしき)」を使用しています。
「高嶺錦」と蔵の背後に連なる西山山系の仕込み水、越後杜氏伝承の酒造技術との相性が良く、
醸した酒は越後の淡麗辛口とは一味違った、
「きれいな甘みが口の中でふくよかに広がり、キレのある味わい」となります。
しぼりたての頃はシャープで硬い感じの味わいではありますが、熟成を重ねた秋口以降には
角が取れたきれいでまろやかなお酒へと変わって行きます。
【米】
「高嶺錦(たかねにしき)」は、昭和14年長野県立農事試験場にて「北陸12号」を母、
「東北25号(農林17号)」を父として交配し誕生した酒造好適米です。
昭和30~40年代には新潟県でも作付けが多く、越後の吟醸造りに欠かせない酒造好適米として
重宝され、鑑評会出品酒などの高級酒に用いられていました。
当蔵の先代杜氏も駆け出しの頃から高嶺錦を使用した越後の吟醸造りで技術研鑽を重ねてまいり、現杜氏もその技を引き継ぎ更なる技術研鑽に邁進しております。
この個性的な「高嶺錦」の酒造りを続けるために、地元農家の理解と協力を得て、
契約栽培により必要数量を確保しています。
このお酒は当蔵の地元「越後長岡みしま」産の酒造好適米「高嶺錦」を使用しております。
「高嶺錦」は、越後の吟醸造りに欠かせない米として以前は盛んに作付けされていましたが、
諸事情により徐々に姿を消し、今ではその良さを知る僅かの酒蔵で使われるのみとなりました。
【水】
水質は軟水です。淡麗辛口の土台になる要素です。
越後長岡西山連山の伏流水を、敷地内の地下20メートルから汲み上げて使用しています。
口に含むとほのかに甘さを感じられる軟水の性質です。
軟水は硬水と比べミネラル分が少なく発酵が弱くなる傾向があり、
さらに越後の冬は寒く低温が続くため発酵が緩やかになりどうしても時間が掛かってしまいます。
水には硬水と軟水の区別があり、硬水は硬度が高く、カルシウムとマグネシウムが多いものを言います。軟水はその逆です。硬度の成分は、醸造過程で酵母の栄養源になります。
栄養源の少ない水は、酵母での醗酵がおだやかでキメ細かいタイプのお酒になります。
新潟のお酒が淡麗辛口といわれるわけはこの水のおかげです。
名水鑑定人、佐々木健教授(広島電機大)は次のように分類しています。
硬度(アメリカ硬度(ppm))
■5以下 超軟水 自然水ではまれで雨水など
■5~50 軟水 名水が多い
■50~150 中硬度水 酒造用水が多い
■150~300 通常硬水 市販ミネラル水など
■300以上 硬水 外国の水に多い。日本人には飲用不適
河忠酒造仕込水 17
※新潟県の醸造用水の平均値は40位です。
※参考 エビアン・ヴィッテル 300
越乃滴に使用している水の源は、越後・長岡の西山連峰です。そこに降り積もった雪が地面にしみこみ、伏流水となって酒造りに使用されます。冬は西山連峰を雪で深くつつみます。
低い温度で仕込まれる寒さが越乃滴を作る上において不可欠で、この雪により空気をきれいにし、麹菌や酵母菌などの微生物を使う酒造りに、大切な一因です。
一日のうちでも温度が一定していて、繊細でキメの細かい越乃滴が仕上がります。
【酒造り(モットー 淡麗を極める)】
米どころ新潟で酒造りを続ける意義を考え、全量新潟県産米使用に拘っております。
杜氏の伝統的な「越後流」の酒造技術と蔵の仕込み水との相性が良く醸した酒は淡麗辛口造りを
基本としていながらふくらみがあり、きれいな旨みの感じられる、大変個性的な「淡麗旨辛」の味わいとなります。長期低温発酵に耐えうる麹造り(酵素力が少しずつ長く続く)こそが杜氏の越後流酒造りの神髄で腕の見せ所なのです。
麹を上手くコントロールし、低温で緩やかに発酵をすすめる事(長期低温発酵)でよりタンク内では
次の様な現状が起こっております。
「香り成分のエステル類は、醪中発酵工程で酵母によって生成されます。
酵母によるアミノ酸の生成は、糖からアミノ酸生合経路に沿って行われますが、
窒素源(アンモニア)が不十分な場合には酵母の活動が不活発になり、アミノ酸になりえず、
高級アルコールが生成されるのです。酵母は栄養も十分に与えられずに、低温という悪条件で酵母が油汗をかきながら生きているのです。その油汗が代謝産物エステル類なのです。」
要するに酵母に餌を与えず極限状態に追い込む事で良いお酒になるのです。
今後とも新潟の米、新潟の水、新潟の人で醸すオール新潟に拘り、
淡麗をより探求し、極めて行くことに邁進してまいります。